(1)現時点で生成AIの実力は?
2024年は生成AI元年と言ってもいいほど、完成度の高い生成AIが出現し、どの業界も戦々恐々と
しているのではないでしょうか。日進月歩で急速に進化する人工知能技術は留まることがないよう
です。年が明けた2025年もこの話題が尽きることが無いようです。そこで2025年年明け時点での
生成AIの実力検証です。検証はPhotoshopの最新バージョン26.3(ベータ版)です。
参照画像を使って背景を作り出してみました。
元画像
自分で撮った焼き秋刀魚の画像のランチョンマット背景を木のテーブルに変えるべく、背景を選択し
生成AIに作ってもらった画像が以下です。
何度もやり直してこの程度です。
気になるのは、勝手に調味料など、いろんなアイテムを作り出してくれるので、AI削除ツールで
なぞり消したものがコレ↓
ちょいとイメージに合わなかったのでボツとしました。
このような真上からの撮影で、背景も簡単に差し替え合成できるものは、まだまだ手動で合成した
ほうがいいので、切抜だけをAIで自動処理し、自分で撮影した木のテーブルに配置してみました。
そこそこの出来ですが、お皿のガタツキが気になります。もちろんマスク等で調整も可能ですが、
四角い単純な形状のお皿に対しては帰って時間と手間がかかるだけです。
やはり切抜も手動でパス抜きしてみました。
結局、全て手動での作業となりました。
完成画像が以下。
こうしてみてみると、まだまだのような気もしますが、プレゼンテーションなど、直ぐに作って他人
に提示したいという時は便利であるし、手動ではコスト・時間的にやりきれないものや物理的に
不可能なものも多数あるので、そういうものに使用するのがベストです。
以下はスタジオ撮影したLED逆光ライティングで「朝陽を浴びるボトルとグラス」です。
これを野外で撮影したような背景に変更したいのですが、これを手動でとなるとかなり時間が
かかるので、プロンプトを打込み生成AIに作らせてみると、、、、
こうなると生成AIに軍配が上がります。数十秒でいくつでも作ってくれます。
ようは十分学習が出来ている分野かどうかの差でしょうか?
2025年1月1日時点でのPhotoshopの生成AIの近況です。
(2)Photoshopベータ版の新機能「調和」
昨年後半より、写真に関する記事はCampfireのアクティビティに移した関係上、
ホームページのこのデジタル動画&写真講座はあまり更新できなくなりました。
ご覧になられる方はCampfireのアクティビティをご覧ください。
さて、そのような状況ではありますが、ホームページをご覧になられている方もちらほら
いらっしゃるようなので、大きな話題の写真&動画案件は、こちらにも投稿いたします。
そして今回は、進化し続けるPhotoshop機能の「調和」についてです。
これは、2025年8月17日現在、まだベータ版に搭載されているだけのメニューですが、
とにかく、Web・デザイン・カメラマン・レタッチャーの間でかなり話題となっています。
7月末にリリースされてまだ1カ月ほどしか経っていません。
なぜそんなに話題になるのか?
それは面倒くさい手作業がほとんどなく、少し講習を受ければ、素人レベルでも自然な
合成が可能だからです。
これも数年前から急速な進化をし続ける生成AIによるものですが、一定の条件が整えば
誰でも短時間で作業が出来るのです。
その条件に付いてですが、
1.合成素材と背景のライティングが似ていること。
2.合成素材のエッジがはっきりしていて切抜きやすいこと。
3.合成素材と背景のアングルがそこそこ合っていること。
先ずは使用素材ですが、畳に置かれたカボスです。
ライティングは左斜め後方からの障子越しの柔らかな光のみ、レフ板は無しです。
このカボスを自動選択で切抜。
別室で撮影したフローリングの床、これもは左斜め後方からの光ですが、これは後方の
壁にストロボを反射させています。
先ほど自動選択で切抜いたばかりのカボスを乗せて、位置とサイズを調整します。
大きさと位置が決まれば、後はメニューバーもしくはレイヤーより「調和」を
押すだけで出来上がり。
これでもOKでしょうが、バリエーションでいくつも作ってくれるので確認します。
仕事の場合でも、恐らくこの二つを納品すれば問題ないでしょう。
パッと見、個人的に1番目が気に入ったので、これに少しだけ手を加えます。
床の後方を少しぼかします。
そして更に、トーンカーブでコントラストを与えます。
けっこう自然に見えないでしょうか?
ほぼほぼ自動で出来てしまう現在のPhotoshop機能の現在です。
面倒な手作業をほぼ一掃してくれているので、レタッチャーも楽になり時短も出来るでしょう。
と、言うよりレタッチャーやカメラマン、デザイナーの手が必要なくなってしまうのではないでしょうか?
今回の「調和」はそれほど衝撃的です。