デジタル写真講座2020


 (1)写真の未来、そして今は?

  昨年、2019年の最初にも書いたが、単体カメラに明るい未来はあるのか?
 昨年一年間の動向を見る限り、「無い!」と断言できる。ミラーレスカメラがあるのではないか?
 と、思われる方も多々いらっしゃるだろうが、売り上げを伸ばしているのはシニア層に対してだ。
 今や若者はカメラなんぞ不要なアイテムでしかない。大きくて重いデジタル一眼レフカメラは論外、
 ミラーレスカメラでも大きなものは敬遠されているようだ。ではコンパクトなものはどうだろう?
 これもスマートフォンのカメラ機能より劣るため、わざわざ持たない。この傾向はさらに加速する
 だろうと筆者は考える。
 では写真はなくなるのか?
 と言えばそうでもないだろう。かえって写真は今以上に必要となると考える。
 ただしカメラを通さずに。
 どんな方法で?
 いつ具現化できるかは分からないが、スマートフォンも最終形ではないと考えている。
 どんな形になるかは分からないが、小型化が進むと考えている。
 現在も売られているウェアラブル端末・スマートウォッチがそうであるが、もっと機能が進化し充実する
 と予測している。AIが進化し、ハードウェアもソフトウェアも急速に進化すればウォッチそのものが
 スマートフォンと主役交代となる日がいつか来るだろうと考えるのです。
 ボタン操作も不要となり、会話で全ての作業が進み、メールも会話を正確に理解し文字データ化し相手に伝え
 更に音声化、クラウド内保存。ドキュメントも全てクラウド管理し音声指示で正確に作業が出来るのでは
 ないでしょうか。
 そして本題のカメラ機能についてですが、小型マルチレンズで広角・標準・望遠をカバーし撮影データを
 自動でクラウド保存し、音声で呼び出し可能にする。
 
 いやいや、もっと違うモノ、レンズではなく別のモノで撮影する方法だ。例えば電波・音波で形を読み2D3D化
 し、色相・彩度・明度をレンズで撮りいち早くデータをサーバへ5Gで送りコンピュータで画像を作り上げる。
 そしてそれを実現するために必要なコンピュータが次世代コンピュータ、量子コンピュータだ。
 これらを使えば、写真・映像の世界は激変する。カメラ単体ではどうしようもないのだ。
 それらに向けて開発を続けているのが、米国や中国、他国のIT企業だ。本来なら日本のCanonやNikonが
 そうならなければいけないのだが、トップにその考え、未来構築の発想が全くないから無理なのだ。
 そして現時点で筆者が考えた近未来型端末がコレ↓
 
 簡単なボタン操作が出来るだけであとは音声のみで操作可能なデバイス、撮影したアイテムや風景を自動加工と
 自動認識で場所・アイテムを割り出す。もはやカメラ単体で事足りる世界ではないのです。
 さらに自動化は撮影そのものにも踏み込み、パソコンで指示だけすれば、カメラもライトも自動制御撮影できる
 ことでしょう↓高度な人工知能によるセミオートドローン撮影とでも言いましょうか。
 
 もっと進めば撮影不要なアイテムは3Dで自動制作ということもあるかもしれません。
 
 といったようなことが、筆者が考える「写真の近未来形」でしょうか。
 
 では今現在は?
 数年前から始まったクラウドコンピューティングが進化し続けてAdobeはパソコン・タブレット・スマートフォンで
 完全に近い状態でデータ共有出来るところまで来たようです。昨年末にはiPad向けに新しいPhotoshopサービスを始めました。
 この新しいPhotoshopではクラウドドキュメントで保存すればPhotoshop形式画像であってもiPadで開くことが可能となり
 クリエーターの作業領域を広げてくれることは間違いないでしょう。
 
 「ノートパソコンのほうがクリエイターにはいいのでは?」と思われるかもしれませんが、携帯性と立ちあげの早さ
 軽作業上の優位性から鑑みると外ではタブレットのほうに軍配が上がります。画面操作で完結できて細かい作業を
 画面タッチでできれば、デスクがなくとも作業可能なのです。
 以下の手書き文字がその代表でしょうか↓
 
 筆者は今の今まで、毛筆は半紙に対して本物の筆を使って書いて複写していましたが、この新しいPhotoshopとiPadProの
 ペンを使うことで、手や道具を汚さずデータ化&共有&加工出来るようになりました。
 毛筆で必要なデスクや場所をとりません。
 
 こういった作業のスピード化にはスマートデバイスのほうが適していることは、疑う余地がないことでしょう。
 日常で持ち歩けて直ぐ開けるスマートデバイスはアイデアを保存するのには最も有利です。
 AdobeのLightroomCC上ではスマートフォン、タブレット、パソコンのどれかでデータを取り込んで作業開始すれば
 作業内容も共有できるため、外でスマートフォンを使って作業したモノでも家・事務所に戻ってカラーマネジメント
 を施したパソコンモニタで再調整を行えるよう6年前からなっている。そして昨年からはLightroomCCの写真はPhotoshop
 からも直接アクセスできるようになって、作業の効率化は格段に進歩!これらを使用することでクリエイター
 の作業スピードは向上するはずです。なんせいちいちデバイスごとにデータ入力も調整も不要なのです。
 コンシューマーについてもスマートデバイスだけ使って、少しの機能(5つぐらいのツール)を理解・使用すること
 で、美しい写真の制作が体験できるはずです。デバイスを壊してもデータ消失という危険性も少なくなるのですから安心感
 があります。
 そう、スマート化なのです。今のカメラも本当の意味でのデジタル化(スマート化)ができれば生き残れるのかもしれません。
 


 (2)フィルムとの付き合い方Ⅰ(アマチュア編)

  今や写真と言えばデジタルであることが当たり前。
 撮影も一般的にはカメラではなくスマートフォンが主流といっても言い過ぎではないと思う。
 理由は簡単、誰が撮ってもブレがなく美しく、難しいとされた夜景写真もお茶の子さいさい
 ですよ。そんなスマートフォンを一人一台所持していて、撮影後直ぐ送信なりSNSへアップで
 きるのですから、カメラなんて不要じゃありませんか。
 しかしここへきて、どういうわけか若い方たちが、フィルムに目覚めて街で持ち歩く姿を見かける
 ようになり、フィルムカメラを勧める記事も見かけるようになりました。
 筆者自身、撮影歴は今年でちょうど40年となり、フィルム撮影はプライベートと仕事で30年近く
 携わってきた。だからフィルムに対する思い入れもそれなりにはある。だからといってこれから先、
 もう一度フィルムを復活させよう!とはなりません。
 フィルムでの撮影はしないほうがいいと最近考えるようになり、他人にも勧めないようにしています。
 数年前までは、もし依頼さえあれば仕事でならフィルム撮影もありとしていましたが、フィルムも
 現像プロセスもどんどんと生産終了となって、昔のように2時間で仕上がるとか、せめて一日かけて
 でもいいから仕上がりが見られるということがなくなりました。自家現像という方法もあるのですが、
 フィルムによっては厳しい温度管理を求められる製品もあるし、第一に大量の水を流しっぱなしで
 水洗したり、大電力を使っての乾燥、液体の化学処理等、環境破壊に直結するので現像の運営をする
 フローが壊れてしまった今、これらを考慮すると安易に勧められなくなったのです。
 せめてモノクロフィルムぐらいはいいのでは?と思われる方もいらっしゃるでしょうが、水の
 大量使用と液体処理は免れないので、やはりお勧めできません。
 そして忘れてはならないのが現像では終わらないプリント(焼き付け)という作業へと移ります。
 フジカラーフィルムの古い解説書を今も所持していますが、カラーネガからのプリントでも発色現像・漂
 白定着・水洗の3浴が必要なため解説書の写真のような大掛かりなシステムが必要となります。
 
 
 
 モノクロフィルム現像・プリントもほぼ同様の工程(現像・停止・定着・水洗)がいるのです。
 その作業を暗室で温度管理しながら行い、ぺーパーを強制乾燥ないし自然乾燥(バライタは板張りする場合も)
 ありです。ここで使用される水洗とは流水ですし、定着液も現像液も長期間で使えるわけではない。
 定期交換し化学分解処理処分しなければいけないのです。これらの負の作業について全く触れないで
 「フィルム撮影と自家現像のすすめ」などとうたう記事を見かけるので、写真に長く携わってきたものとして
 何かを記しておく必要があると考えるのです。
 2020年現在、昔も今も簡単に入手が可能なのは製造販売を続けている富士フィルムグループの商品だけといって
 も過言でない状況と言えるでしょうか。コダック社のフィルム事業を受け継ぎ一部商品の販売を続ける
 コダック・アリラスやモノクローム商品のイルフォードなどを扱うサイバーグラフィックスなども存在は
 しますが、プロが仕事でほとんど使用しなくなって特殊な商品となった今、ハイアマチュアやプロの趣味だけ
 ではフィルムや印画紙の流通量は極々少量といえるでしょう。
 これらの状況を踏まえ、「フィルムとの付き合い方」をご提案したいと考えます。
 まずは撮影ですが、市場で未撮フィルムを一般的に入手は容易であるのとカメラも中古品が安く出回っているので
 現像を外注し、フィルムの良さをもう一度もしくは初めて体験したいと願う方にはおススめできそうです。
 現像後作業はパソコンに繋がなくても読み取り可能な安価(1万円前後)で簡単操作できるフィルムスキャナ使用
 がおススメです。その後、パソコンに転送し加工してSNSに載せるなり、プリントするなりの作業が適当でしょう。
 
 (35ミリネガフィルムをスキャンしPhotoshop上で色調整した画像例)

 上記は35ミリフィルムを基準にしていますが、それより大きなフィルムをデータ化する方法。最近、多く見かける
 ブローニーフィルムを使用する二眼カメラなどは、スキャナも大きくやや高価になります。この方々に対しては
 ライトテーブルを使った複写、もしなければ安いLEDライトにライトバランスフィルターを貼り乳白アクリル上に
 フィルムを置いて複写が現実的でしょうか。
 
 
 (フィルムをアクリル板テープで貼りつけデジタルカメラで複写)
 
 
 (ハレーションを避けるため周囲は黒紙で覆うのがベストです)
 
 
 (複写後はPhotoshopで諸調整を施します)
 
 デジタルカメラでは味わえない自然(?)な色合いに共感していただけるかもしれません。
 次に上記の作業をもとにアマチュアの方には撮影するのではなく、外注するでもなく古い資産をスキャンして
 みることをおススメします。
 


 (3)フィルムとの付き合い方Ⅱ(プロフェッショナル編)その1

  前回はアマチュア愛好家を対象にフィルムとの付き合い方を案内しましたが、今回は写真を職業とされている
 方々を対象にご案内です。最近、古い一眼レフフィルムカメラの裏ブタを外してセンサーを取り付けてデジタル化
 する面白い機器もありますが、お遊びとしては有りかもしれないけれど、仕事ではどうかとなるとそうはいかないでしょう。
 まずは使い古しでも仕事として成立しそうな古い資産の活用についてです。今はほとんど現場で使われていない
 大判4×5フィルムを使用するビューカメラと一眼レフデジタルカメラの結合で望遠レンズでのアオリ撮影のススメ
 からです。これは商品化されて市場にも数種あるのですが、いかんせん高価なのとあまり用途がないので自作で
 十分なのです。筆者も随分以前に自作し商品撮影に使用していました。方法は簡単、使用するカメラの専用エク
 ステンションチューブの中身を外して黒のボードに貼り付け4×5ビューカメラと接続するだけです。
 これで十分撮影は可能です。ただし難点が一つ、レンズデータが無いので注意が必要です。でももう一つイイ点
 があるので(紹介したくないけれど)ご紹介です。大判レンズはトロイダルの絞り機能がありボディ側のピントノブも
 動画用に近いものがあるので、一眼レフデジタルカメラに取り付ける動画用パーツを買うことなく、かなりお得な
 プロ用動画用カメラに早変わりします。
 
 現在、市場でカメラ&レンズメーカー各社から売られているシネマレンズですと、数十万円はするし、どうせ三脚に
 のせることとなるので、今も所持している広告写真家の方々にはお勧めです。
 
 ↑の写真のようなスタイルでお仕事されている方には4K、6K、8K映像を最良のライティングで撮影し素材提供が
 可能ではないでしょうか。
 次にフィルムについてですが、今現在の状況と付き合い方の基本は前回述べた通りです。
 そこで職業にされている方へのご提案は、古い資産の活用と復元作業です。
 長年、写真で生計を立てていた方々だと大小・形式様々なフィルムやプリントをお持ちの筈です。
 そのどちらもが年数が経つと劣化、退色していることでしょう。筆者の場合も30年以上前に撮影したフィルム
 の中でかなり進行しているものもあり、元色をとどめていないものも多数あります。その中で自分の記憶に
 残っているものだけでも復元したいものです。以下の写真はライトテーブルにおいて複写・復元したものです。
 4×5ネガフィルム撮影し反転デュープしましたが、かなり色が抜けていました。
 
 手法はPhotoshop上でRAWフィルター処理を施しただけです。デュープは特に褪色が進みやすいので、現物を
 個人が保管するのはほぼほぼ不可能に近いので、データで保管することをおススメいたします。
 そしてもっと古い写真やフィルムについてですが、およそ90年前に撮影された手札判の劣化したプリントを
 約四半世紀前に預かり4×5ポラロイドフィルムと4×5モノクロネガで複写し保管しておりました。写真は持主に
 返し、十数年前にネガを読み込み、やはりPhotoshop上で復元しました。この2種のネガは今も生きており読込
 可能です。50代以上の広告写真家であれば知っている方も多いと思いますが、4×5ポラロイドT55は撮影後、
 亜硫酸ソーダ水で洗浄すれば、後々もネガフィルムとして使用できるので、急ぎでそのまま持ち帰り印刷したいという
 クライアントさんには重宝していました。これらを読込、Photoshop上で反転すればいいだけです。
 
 (↑4×5モノクロネガで複写したものをPhotoshop上で反転)
 
 (↑4×5ポラロイドフィルムT55で複写し亜硫酸ソーダ水洗浄したものをPhotoshop上で反転)
 
 (Photoshop上で反転したデータを復元)
 二度と撮影できない古い写真、大切な資料を復元することが現在、フィルムとの付き合い方ではと考えます。
 美術品や資料複写で場合によってはフィルム撮影にアドバンテージがあるものもありますが、現時点では
 データでの保管がベターではないでしょうか?
 


 (4)フィルムとの付き合い方Ⅲ(プロフェッショナル編)その2

  前回に引き続きフィルムとの付き合い方プロフェッショナル編です。
 まずはフィルム現像について、しつこいようですが、前回記したようにお勧め出来ないこととリバーサルフィルム
 に関しては、内式カラーリバーサルフィルムが一部の現像所で可能なだけで、かつて人気を博したコダクロームに
 ついてはフィルムも現像プロセスも今は存在しません。筆者も内式カラーリバーサルフィルムの現像プロセスE-6は
 液体だけ揃えば自家現像可能ですが、外式現像方式のコダクロームは不可能です。これは名前の通り3原色の発色を
 現像に依存するため、YMCを順番に掛け合わせていくため、プロセスを持っていたとしてもKodakからの指定色は
 出せないであろうと考えるのです。工程も多いし無駄に時間を費やすだけではと思います。どうしてもあのコダク
 ロームのテイストが欲しいというのであれば、それに似た発色とコントラストを実現するFoveonセンサーのカメラを
 使ってみてはいかがでしょうか?渋い緑色や江戸ムラサキがかった青い空、ノスタルジックな鮮やかではないが印象的
 で癖のある色合いがココロくすぐるのでしょう。SIGMAのFoveonセンサーでも完ぺきとは言いませんが、それらしいもの
 が出来るのでお試しあれ。
 
 上の写真はKRを使ってNikonF3、AIニッコールズームに偏光フィルターを使用、フジフィルムや
 コダックのエクタクロームにはない渋さとシャープ感が特徴と言えるでしょうか。

 
 次に既に現像済みで保管している作品に関してですが、こちらも眠らせておくのは勿体無い!
 是非とも再利用、もしくは発表を!
 高度で安定したデジタル環境を誰もが持ち・運べる時代なのですから、積極的に出すことで思わぬ仕事に発展する
 ことがあるのではないでしょうか?
 今では撮影できない昔撮影した名所であれば、デジタル上で調整し保管しておけば、いつ何時でも使えます。
 SNS上で発表しても人の目に止まりやすいものです。 
 
 最後に、プロフェッショナルであれば、フォトライブラリー全盛のころ素材撮影経験をされている方も大勢いらっ
 しゃるはずなので、合成用背景での使用が有効ではないでしょうか。
 
 自身で撮影したモノで著作権も所有しているものであれば、モノクロで撮影プリントしたものもインテリア撮影の
 飾りとして写しこんだりと便利な使用法がいくらでもあります。
 
 
 これらが現在、筆者が主に仕事で利用している使用法でしょうか。
 これから先、フィルムでの撮影は現実的ではありませんが、大切に保管しているフィルムは積極的に表に出す。
 これに尽きるかと思うのですが、いかがでしょうか?
 


 (5)既に始まっているカメラ単体の終了

  ちょっと寄り道してフィルムについて書いていましたが、このページ本来の目的に戻りましょう。
 以前から懸念していることは、ちょくちょく書いてもいました。しかし、今年は年初にはっきりと書きました。
 写真そのものは残れどカメラ単体は生き残れるのか?既にいろいろと結果が出てきているので中間報告です。
 つい先日、世界のトップであろう日本のカメラメーカーCanonから新しいミラーレスカメラR5とR6の発売が発表され、
 業界はやや活気?付いている様子。しかしデジタル化が急速に発展した今現在に即応しているかというと疑問がある。
 いや疑問だらけだ。
 その答えともいえる記事がつい先日、東洋経済オンラインにあり興味深く読んだ。
 詳しくはその記事“「日本製品」が海外で売れなくなった根本原因 ~”を読んでほしい。
 なぜ今、かつてあれほど世界を席巻した日本製家電が売れないのか?
 理由は簡単、デジタル全盛時代にマッチした商品を出していないからである。
 唯一世界を牛耳っているカメラにしても危険信号は出ている。今回発売されるCanonのミラーレスカメラもただただ
 ハイクオリティの写真と動画が撮れるだけで、大きく重くて使いにくいだけなのです。こんな商品がいつまでも世界で
 売れるはずがないのです。世界を見渡せばかなりトレンドから外れていることは明白で、いい加減目を覚まさないと
 カメラメーカーも海外企業に買われていくことになるかもしれません。
 まっ、そんなことはおいといて本来のデジタル写真講座ですが、カメラ単体ではどうにもならないということを
 教えてくれる製品たちが次々と生み出されています。
 その筆頭がドローン!
 世界を席巻するドローンと言えばDJI。これは写真家であれば誰もが知る名前となりました。
 ドローン技術は完全に中国から置いて行かれてますね。
 そのドローンで培った技術を投入したのがブレ防止の簡易的装置「ジンバル」。
 このジンバル抜きに動画撮影はあり得ないのが実情です。
 そのジンバルにカメラ機能を取り付けたのがDJI OSMO ↓
 
 スマホより小さくて起動も早く操作が簡単、しかもブレない!というのが最大の特徴かもしれません。
 
 ボタンは起動ボタンと録画ボタンの二つだけで、あとは画面操作、画像・映像はUSB-Cかライトニングでスマホ
 接続できて高速転送が可能。お値段も7月現在36,000円台とかなりリーズナブル。
 では肝心の写真と動画の出来はどうか?
 写真はJPGとRAWを同時記録できてPhotoshopで現像展開が可能。レンズ解像度はカメラ単体の性能には及ばない
 ものの、不利な体勢で楽々撮影が可能だったり、暗がりの中でブレがない分、被写体によってはカメラ単体より
 イイ場合があり、コピーライターやエディターの取材中撮影にも安心してシャッターが切れるのではと思うのです。
 筆者自身はつい先日、室内テーマパークで暗がりの中、ミニチュアを撮影してみて、ミラーレスカメラより上がりが
 良かったのでDJIの画像を情報誌面で使うことにしました。
 プライベートでは夕暮れ時のやや暗い中で、いい加減に撮影テストしましたが、ネット上で使うには十分の仕上がりで
 今後、散歩の友はこれに代わることでしょうね。なんせポケットに入るのですから邪魔になりません。
 
 
 
 
 
 
 画像は夕暮れ時に撮ったものですが、今の環境で見るには十二分のクオリティで紙上でも4Kモニタ上でも
 安心して使用できそうです。
 上の写真と同じ散歩をとらえた動画サンプルはコチラ!
 手持ちでなんの装置もつけずにこれだけ撮れるというのは驚異ですね。
 
 今、カメラに必要な要素は画像クオリティの追求だけではないのです。
 カメラ単体で商品価値が決まる時代はもう終わりだということをメーカーさん方には、もう少しご理解いただきたい。
 早く目を覚まさないと。
 


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