デジタル写真講座2019


 (1)カメラはどこへ向かうのか?

  写真を撮影するために使うのはカメラ? それともスマホ?
 と、比べられるほどスマートフォンで撮影した画質が向上した。そこそこの写りではない。
 単体カメラと比べても勝負できる画像も多々あり侮れない状況となったようです。
 レンズ性能の問題があるので、いくら画素数を上げても描写に限界はある。しかし、カメラ単体
 では出来ない多彩で精度の高いソフトウェアと手軽さで、近年、押すだけ撮影のスマートフォン
 は写真撮影の中心的存在といっても過言ではないのでは?
 ようはコンパクトカメラを別に持つぐらいならスマートフォン一つあれば事足りるのですね。
 事実、結婚式や旅行で使われる写真撮影機器の数はスマートフォンがカメラを圧倒しているし、
 ビデオも同様です。
 さて、そんなスマートフォンの追撃にあいながら単体カメラの存在価値はあるのでしょうか?
 そんな問いかけをした2018年だったのでは?
 その一つの答えとして、昨年このページでも取り上げたミラーレスカメラの進化と台頭が
 あるのではないでしょうか。数年前に雑誌「東洋経済」の特集でも指摘されていたことが
 現実となりました。
 何が?
 ミラーレスカメラが出荷台数で一眼レフデジタルカメラを上回り、一眼レフデジタルカメラを
 メインにしていた二大メーカーCanon、Nikonも高級ミラーレスカメラを2018年秋に発売し、
 いよいよミラーレスカメラ時代へ移行したこと。フィルムからデジタルへ、次は一眼レフ
 デジタルカメラからミラーレスカメラへとカメラの第二革命とでも言えばいいのでしょうか。
 見た目は何も変わらないのですが、アナログデバイスあるミラーとその周辺(特にプリズム)を
 外すことでカメラの可能性が大きく変わるのです。デジタル化された今、急務であったミラーレス化
 に各社が着手したことで今までとは異なるカメラが世に出せる!筈なんです。
 が、どうでしょうか?
 今のところ、二大メーカーCanon、Nikonが昨年発売した商品だと画質は良くても真新しい
 技術がなく、ミラーレスカメラならではの特性を生かした仕様も見当たりません。
 出来るけれどやらないのか、出来ないのか、トップの見解が時代遅れなのか、、、
 よくわからないところではありますが、アナログ製品でなくなったのだから、今まででは
 実現できなかった技術を搭載し、披露してはいかがでしょうか?
 たとえば精度の高いAI(人工知能)を搭載し、専用デバイスでもいいからカメラをマルチで
 操作することや手持ちで撮影するにも操作を補助するAIをもっと充実させて
 Carl Zeiss(カールツァイス)「ZX1」のようにカメラ内部で写真を完成させるLightroom CC
 のような機能を搭載する。そして買ったカメラをスマーフォンのようにソフトウェアアップデート
 できるようにする。考えればアイデアは出せるはずです。現在、車もAI化が求められ走る箱から
 手軽で精度が高い移動サロンに変わろうとしています。カメラもそうなる時期なのでは
 ないでしょうか?
 上記の事を実現できるには時間がかかるでしょうが、画像と映像が簡単&確実に撮影できて
 外部コントロールサーフェイスで完全内部処理出来るカメラを作るというのは今でも可能では?
 その最も近くにいるのがソニーのα7ⅢやパナソニックGH5sかもしれません。
 
 精度の高いAIと連携することで、一人による複数カメラ操作を実現できるのでは?
 そして編集も付属コントローラで内部処理し、オールインワンを目指すべき時ではないかと。
 
 メーカーの方々は、もう少し頭を柔らかくしてアナログカメラの発想から飛び出してみてはいかがだろうか?
 例えばカメラ周りのライティングシステムがそうですが、スチル撮影にはまだまだフラッシュが
 必要です。しかし、動画には定常光が必要です。この二つを手動ではなく、カメラと連動させて
 AIが自動操作し、被写体も写し出された画像をもとに自動ライティングした後、手動微調整するという
 のもありなのではないでしょうか?
 
 
 なかなかライティングの自動化をしようという発想までは浮かばないようですが、カメラにAI
 を搭載するのであれば、光のコントロールも出来るはずです。現在、ライティングはカメラマンの
 生命線とでもいいましょうか、手動で微妙なコントロールを上の写真では被写体に応じて施してい
 ます。このような撮影でフラッシュと定常光の自動切換えをしたり、人ではなく、カメラ自体が自動
 調整(映像は音声も自動調整)するという発想なのです。これこそが近未来の撮影スタイルかもしれません。
 さらに言えば、人の目で確認せず、耐久力と機動性を重視した小型高性能カメラで無線を使って
 連動させ、AIによる半自動撮影で複数台のカメラをコントロールするという方法。
 具体的にはサイバーショット DSC-RX0のような小型カメラを進化させたバージョン(自動ドリー
 やスライダーと一体動作)で写真と映像を同時撮影するという方法などなど。
 ようはアナログでは実現不可能なAI高速連写や複数カメラアングル&照明コントロール、
 完全なカメラ内部処理で対応すべきでは?
  
 今までのカメラは撮って箱に収めるだけでした。
 ここからの脱却が高級ミラーレスカメラの生き残る道ではないでしょうか。
 今の時代、キレイに写るだけではただの箱ですよ。
 


 (2)4K動画記録

  昨年、2018年12月より始まった4K衛星放送。
 いよいよ印刷を超える精細度のテレビ放送の始まりであるが、意外にも巷じゃなんの噂にもなってない。
 恐ろしいことだ。
 「4Kってなんですか?」っていう質問もよく受ける。
 これはまずい!
 っちゅうことで、すこし4Kについて解説することにした。
 早い話が長辺4000個前後のつぶがあるわけで、今までのフルハイビジョンのつぶの数が4倍である。
 だから高精細度の動画が楽しめる。さらにはブレがなければ写真として抜き出したものを印刷にも
 あてがえる。
 ちなみに下の画像は4K映像から抜き出した一コマを再度画像調整し縮小したもの。
 
 一目見て映像からの抜き出しだと分かるだろうか?
 画像を日々数百単位で扱う筆者とてわからないのだ。
 そしてこの画像を抜き出す前の映像は、LumixGH5で撮影しているが、スタビライザーも三脚も
 ジンバルも使用せず、手持ちであること。さらにはHDR撮影なのでシャドーのつぶれやハイライトの
 とびが少ない。ホワイトバランスだけ合わせることさえすれば誰でも撮れてしまう。
 なので4Kは身近なものになるかもしれない。
 なんのデバイスにも頼らず撮影したのがコレ
 ただし撮影後のカラーグレーディングは必要なのでソフトウェアとハイスペックなパソコンを
 用意しなければいけない。これが厄介でハイスペックなマシンとはビデオカード上位機種を
 搭載したパソコンを指す。どれぐらいのものが必要か?と、問われると出来る限り上位の機種
 を勧めるしかない。ただし1枚10万円以上するカードを1~3枚なんてのは、一般の利用者には
 勧められませんので、一世代前の型落ちカードを搭載したモノをお勧めいたします。出来るこ
 となら、自作して何時でもカードを交換できるのがベストなんですけど、そこまでする方に
 最近はお目にかかってませんから、先ずは古いビデオカード上位機種搭載パソコンでお試しあれ。
 
 


 (3)CP+から占う写真・映像業界の今後

  今年のCP+も昨年以上に大盛況だったようだ。
 近年は話題の少ない・元気のない国内カメラ&デバイスメーカーからは想像できないほどの盛況ぶりではないだ
 ろうか?理由はデジタル化され、SNSへの投稿に撮影に制限のあるスマホではなくカメラを選ぶ老若男女が増えて
 いること。そして写真に限らず映像もコンシューマーが自身で撮影し、やはりSNSをはじめYouTube等に投稿する
 ケースも増えているからだろう。
 
 そんなCP+から写真・映像業界の今後を予想してみよう。
 国内メーカーが話題も元気もないというのは今年の「カメラ映像機器総合カタログ」を見れば誰でもわかること。
 写真がアナログ主流であったころのそれとは参入企業の数も商品群も激減し、カタログページ数は100はおろか
 50ページにも満たない。昨年はカシオのカメラ事業完全撤退というインパクトのある件もあった。
 さらにデジタル化は他のメーカーも存亡の危機へと追いやっている。近年はスマートフォンによるコンパクト
 デジタルカメラの駆逐が一般の方々にも十分認識されているようだが、昨年は一眼レフデジタルカメラも
 ミラーレス一眼デジタルカメラに出荷台数で抜かれてしまった。この流れは一気に加速することが予想される。
 主要カメラメーカーのほとんどが、ミラーレス一眼デジタルカメラを昨年投入し、一眼レフデジタルカメラ
 の新機種はほとんど見かけなくなりました。この先、一眼レフデジタルカメラの新機種が続々と発売されるという
 ことは考えにくく、逆に今あるミラーレス一眼デジタルカメラを駆逐するべく、各社からミラーレス一眼デジタ
 ルカメラを発売するはずでは?
 
 一眼レフデジタルカメラは外観のみ踏襲されるが、ミラーとプリズムは数年後には姿を消すのではないで
 しょうか?意地を張っていたキヤノンも今回のCP+で新しいコンシューマ向け中級?ミラーレス一眼デジタルカメラ
 を発表しています。これも売り文句は今一つで、とりあえずやや低価格でフルサイズセンサー搭載の小型・軽量化
 を実現したというだけのインパクトの少ないカメラで、市場で爆発的に売れるとは到底思えないもの。
 技術的にはもっともっと上の商品が出せるはずなんですが、毎度のことで後出しじゃんけんスタイルは
 変わらないようです。
 
 このままの状態が続けば、唯一といっても過言でないカメラ関連業も海外にシェアを奪われるのでは?
 そんな予感をさせてくれたのが、今回のCP+だったようなきがします。誰もが知る通り、デバイス関係、
 ドローンやストロボといった商品は、今や中国製が幅を利かせているし、動画を撮るためのジンバルも
 中国製。さらに数年前からレンズも中国・台湾製が性能・価格面で魅力的な商品を出してきており、
 筆者の場合、カメラボディ以外は全て海外製品になりそうな状況にまでなっています。
 今回もレンズとジンバルをいくつかテストしましたが、どれもこれも値段の割に出来が良すぎて文句が付けられません。
 
 自前のカメラを取り付け動画撮影テストしましたが、全くブレておりません。
 
 マイクロフォーサーズマウントでマニュアルですが、実売価格が純正レンズのほぼ半値でこの実力!
 仕事でも耐えうるクオリティを提供してくれそうで、使捨てしても惜しくないですね。
 
 この状況で、果たして国内メーカーは生き残れるのか?
 疑問です。
 そしてこの不安を助長するのが、ソフトウェア技術。
 この先、絶対欠かせないAI技術や通信5Gが、かなり遅れをとっていて、5年先が心配で心配でなりません。
 
 最後に国内カメラメーカーに引導を渡すのではというインパクトのあるカメラが参考出品されていたので
 ご紹介です。
 
 
 Zeissの単焦点レンズ一体型カメラ「ZX1」がそれですが、カメラ内部になんとなんとAdobeのLightroom CC
 を装備してメモリーも512GBを内蔵し、クラウドへのアップロードやメール送信も出来てしまう。
 筆者自身が今現在、デジタルカメラに強く望むのは、このスタイルです。ソフトウェアを搭載し、
 カメラ1台で完結することです。今回、35mm単焦点レンズが固定とあって仕事では使えませんので
 購入とまではいきませんが、ズームレンズが搭載されれば、考えますね。
 そんな魅力を感じるカメラでした。
 国内カメラメーカーに必要なのは、内部に精度の高いAIと画像処理ソフト、大容量メモリー、そして通信を
 一体にすることではないでしょうか。
 果たして今のままで先はあるのでしょうか?


 (4)カメラが生き残るためには?

  デジタルカメラが世に現れ、一般化して何年経過しただろうか?
 ハッキリした年数は分からないが、一般化して10年を過ぎたぐらいでしょうか?
 その間、デジタルカメラは進化し続けてはいるものの、ここ数年、劇的な変化は見られない。
 理由は、アナログ進化の限界に達しているのでは?ということとデジタル上での進化の無さ?
 ってとこでしょうか?
 そんな問題提起をしてくれている商品が、今年のCP+に参考出品されたZeissの「ZX1」ですかね。
 カメラ自体は単焦点の固定レンズですから仕事では使えそうにないんですけど、レンズ問題さえ
 解消し、高感度撮影に対応してくれれば、とても魅力的なカメラとなりうるのではないでしょうか。
 何が魅力的かというと、Adobeの写真用ソフトLightroom CCをカメラ内部に備えたこと。
 現在、写真用ソフトとしてハイアマチュアにも広く認識されており、携帯デバイスとの連携もとれる
 ソフトをカメラ内部にいれることで、カメラの可能性が広がるのではないでしょうか?
 筆者自身は、Lightroomを発売当初から使用はしていますが、仕事上多用するのはPhotoshop。
 Lightroomの出番は限られていました。しかし一昨年、クラウドでの連携がとれるccとなってからは
 現場で画像を求められる仕事で威力を発揮。
 ノートパソコンなんぞ持ってけない・置けない場所で信頼できるソフトで写真を一定の加工ができる
 というのは、たいへん心強いのです。昨年、このページにも記した通り、Lightroom CCを使って
 SNSや仕事のデータ管理を施すことが多くなりました。スマートフォン上で施した解凍プログラムを
 パソコン上でも同じように見ることが出来るし、Photoshop上でも使えるとあって、仕事上とても
 便利になりました。
 
 ↑カメラで撮影した画像をWi-Fiでスマートフォンへ転送しLightroom CCで加工中のシーン。
 
 ↑同じ画像をクラウドを通じてパソコン上のLightroom CCで表示。
 
 ↑スマートフォンで加工した画像をパソコンのLightroom CCから出力。
 
 撮影直後にデータを要求される場合はスマートフォンより出力しアップロード。
 これでもかなりのスピードアップでクオリティもある程度保持できています。
 でも、カメラからスマートフォンへの転送というのも無駄な作業に思えるのです。
 Wi-Fiを通じて画像を転送するという作業を省きカメラから直接、任意のサーバ等へ
 ハイクオリティの画像を届けることができないものか?と考えてしまうのです。
 撮ったその場で、その雰囲気・色を反映させて解凍し、直接通信に乗せれれば、
 クオリティも良く、かなりのスピードアップが期待できそうです。
 なぜこんなことを思うか?
 つい先日の「即位の日」や式典、結婚式もそうですが、目に付くのはスマートフォンばかりです。
 この状況を変えて、カメラが生き残るには、外せない機能ではないでしょうか。
 


 (5)今年のトレンド?大型撮像素子を採用した高級機

  昨年2018年からカメラメーカー各社からミラーレス一眼カメラが出そろい
 今年2019年はミラーレス一眼カメラでの新製品競争に突入のようです。
 ミラーレス一眼カメラが単体カメラの主流となった感がある今、大手メーカーが力を
 入れているのは大型撮像素子を採用した高級機種のようです。今年になって富士フィルムは
 35mmフルサイズを超える素子を採用した1億画素オーバーのGFX100を発売、ソニーは35mmフ
 ルサイズで有効約6100万画素のα7RⅣを9月発売予定、ミラーレス一眼カメラを最初に発売した
 ミラーレスの先駆者パナソニックはフルサイズで動画主体か写真主体で選べるSシリーズを同時に
 2機種今年2月に発売、今までベイヤーセンサーを採用しなかったシグマは35mmフルサイズの素子を
 搭載した超小型ボディのfpを発売予定とのことです。
 ここへきて他社とは一線を画す高級高画質カメラで勝負しようとしているように見受けます。
 これは追いかけてくる、いや既に追い抜いてる部分も目立ち始めているスマートフォンのカメラ機能
 の存在が大きいようです。筆者もつい先月、新しいスマートフォンに買い換えましたが、あまりに
 画質が良いので記録用に持ち歩いていた小型ミラーレス一眼カメラはやめて、スマートフォンで
 記録するようになりました。このままのスピードでスマートフォンのカメラ機能が進化し続けると
 近い将来、コンシューマ向け小型カメラは姿を消すかもしれませんね。
 そういった危機感が、今年の商品ラインナップに影響しているんでしょうね。
 さてさて、久しぶりに個性ある商品が多数でてきたので、現在使っているルミックスハイエンド
 シリーズのフルサイズに興味がわき、少々不安に思う点もあったのですが、どの程度のモノか
 この目で確かめたくなり今回はじっくり時間と手間をかけてテスト敢行。
 テストに選んだのは画素数が低いルミックスDC-S1。
 理由は、今や写真と動画を同時に撮影することは日常化しているため、大きな画素数はかえって
 データ保管やWi-Fiでのデータ転送の足を引っ張るので、ワークフロー全体のことを考えると
 半分の2420万画素でも十分なのです。今の時代、データ化された写真や動画を快適・確実でハイクオリティ
 に運用することがプロに求められているので、今回はただただ、カメラの画質や使い勝手がいいだけ
 では許されないのです。
 でもまずはカメラ本体からですが、
 
 ボディだけでも1㎏を超えており、標準ズームを付けると約1.7㎏となりかなり重くなります。今まで
 Gシリーズを使っていた人であればすぐわかるのですが、GH5sにライカDG標準ズームを付けても1㎏弱
 ですから、かなりの重量と言えます。ちなみにボディだけをキヤノンのEOS5DmarkⅣと比べると120g
 ほど重くなります。いきなりマイナス情報から始まりましたが、今まで小型軽量化に努めてきた
 メーカーから画質重視で大きさ重量問題を無視してまで作ったカメラが出るとは思いもよらず予想外
 だったからです。それでも今回の商品はそのマイナス面を十分カバーできる仕上がりとなっており
 かなり見直したというか、パナソニックの勝負姿勢を評価したいと思います。
 今回は結論から述べたいのですが、ボディの出来はとても良く、超高感度撮影が気兼ねなくできる
 ので、あとはレンズラインナップの充実とボディ&レンズの小型軽量化を強く求めたいですね。
   さてさて、データそのもののテスト結果ですが、先ずは最も気になる超高感度撮影がどの程度か、
 拡張設定なしの最高感度51200を使って薄暗い室内で撮影↓
 
 撮影用60W LED1灯で感度25600では↓
 
 暗い玄関で死んでいたセミを感度6400で撮影するもこのとおり↓
 
 いかがでしょうか?
 どれもそんな悪条件下でストロボなしの高感度で撮影してるようには見えませんよね?
 次にスタジオ撮影ですが、感度400でストロボを使ってJPG出力したデフォルトでコレ↓
 
 カメラ内部で画像生成しても問題ございません。シャドー・ハイライト部分の色階調
 は良好です。
 そしてスタジオ撮影と言っても、環境が整わない場所での確認・テスト処理作業はどうか?
 
 
 
 SシリーズはGシリーズ同様、背面の液晶モニタ表示が見やすく選択しているメニューや
 被写体の状況が分かりやすく快適な撮影フローを提供してくれます。特に水準器は撮影画面
 確認の邪魔にならず、水平がとりやすいつくりになっていて、スタジオ撮影・建築撮影
 にはとても有効と言えます。HDMI接続外部モニタやテザー撮影によるUSB接続PC確認も
 取り付けて快適操作は可能ですが荷物が増え、有線が邪魔となり、自由なアングル設定
 の足かせともなりうるのでお勧めは致しかねます。
 今や容量・作業スピード・ソフトウェアの急速な進化でパソコンに取って代われる
 スマートフォンを誰もが持っているのですから、スポンサー立会いでもスマートフォン
 確認が有効ではないでしょうか?
 これからはスマートフォンが撮影後のカギを握っているのかもしれません。
 今回のカメラに合わせて出してきたスマートフォン用アプリLUMIX SyncでつないでWi-Fi
 転送すればRawデータでもスマートフォンに取り込めて、その後ライトルーム等のアプリ
 を使った解凍がとても便利です。
 (※Panasonic Image Appもつい先日のアップデートでRawデータ取込み可能となっています)
 
 ライトルームに限って言えば、画像データと解凍プログラムをクラウド共有できるので
 自身が登録している2台(Win&MacどちらでもOK)からライトルームで共有可能となります。
 ここで問題となるのは始める前に、スマートフォンの通信&クラウド容量契約確認です。
 Rawデータの共有となると、撮る枚数によっては100GBを超えることも予想されるのでご注意を!
 
 それでは今回のメインである外の撮影です。
 こちらも結果から述べたいのですが、ハイライト・シャドー部の描写が滑らかで極端に白トビ
 黒落ちといった現象が少なく、従来のカメラでは表現できなかった場所を肉眼で見た以上に再現
 してくれました。特に逆光の中華街を撮影しかカットは人の顔がハッキリと認識できて店頭の
 状況も一目でわかり、日中の撮影が厳しい天后宮もノーストロボで細部まで描写できています。
 馬車道にあるブロンズ像はビル陰で真っ暗であるにもかかわらず、像も背景も予想を超える
 ディティールです。暗いレストラン内部でタングステンライトに照らされている麻婆豆腐は
 ISO 20000で撮影しても信じられない描写でライティングを施しているかのように見えてしまいます。
 最も驚かされたのは総ガラス張りの店内から外と店内をノーストロボでフィルター操作も何も
 特別なことはせず撮影していますが、外も中もハッキリと写し出せていること。Rawデータから
 画像展開していますが、今までのデータとはレベルが違いますね。
 
 (日除けのテント内もつぶれることなく描写)
 
 (晴れた日に陽の当たらない屋根の下の部分は写し出すのが困難ですが難無くクリア)
 
 (日陰のブロンズ像も陽の当たる背景も実に滑らか)
 
 (薄暗い店内の料理撮影もストロボなしでOK)
 
 (陽がさしこんでいても白トビはない)
 このように実に良好な結果が得られているので、後はレンズを待つばかりでしょうか。
 そして写真の最後のテストはJPGカメラ内部自動生成とRawデータをフォトショップの
 カメラRawで展開したモノとの比較です。
 
 これはまだまだRawデータ展開に軍配はあがるでしょうが、JPG撮って出しでも使えないという
 レベルではなさそうですね。
 
 最後に動画機能ですが、こちらも今まででは考えられなかった高感度撮影が可能となり、
 低光源で高品質の4K動画を撮影できるとあっていろんな用途が考えられます。しかし、GH5や
 GH5sのような小型軽量でないため、ジンバルやドローンにのせることができません。
 画質や動画メニューについては写真との併用機という位置づけもあり申し分ありませんが、
 この大きさと重量については将来的に解消していただきたいですね。
 ちなみにテスト動画は[4K] 3840×2160, 23.98p記録, 150Mbps(4:2:2,10bit LongGOP)
 で撮ったものをプレミアプロでグレーティングしFHDに落としたものです。
 (動画はYouTubeで)
 
 
 


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