⑮カラーマネジメントⅣ(データ検証)
CMYKデータで渡したにもかかわらず、最終的な形である“印刷”で、色が違うということ
が多々あります。大きな理由は、CMYK変換テーブルの違いが挙げられます。CMYKといっても
RGBのように統一された規格はなく、印刷所によって様々です。この変換テーブルが一致しな
くても問題ない場合もあるのですが、多くの場合は彩度が落ちたり、ブルー色が出ないといっ
た問題が生じます。この問題を解決するには、撮影者が使用する変換テーブルを事前に知った
上で、キャリブレーションされたモニターでシュミレーションする必要があります。
⑭コンシューマ用デジカメのデータは印刷で使えるの?
予算のないお仕事(カメラマンが同行できない)では、コピーライターや
編集者が取材と撮影をしなければなりません。この方々の中には、カメラマン顔負けの
写真を撮る方もいらっしゃいますが、ほとんどの方は写真を見るのは好きでも“撮るのは
ちょっと”というのがほとんどではないでしょうか。そんな方々から多くある質問が、
“コンシューマ用デジカメのデータを印刷に使っても問題はないのか?”です。
一昔前(といってもほんの数年前)なら、「ネガフィルムを使えば。」と答えていましたが、
今は、「サイズが小さければ(名刺サイズぐらいなら)いいんじゃないですか。(使いように
よってはもっと大きくつかえますけど)」と答えるようになりました。例えば、2005年
11月現在、最新のCanon IXY L3をテストしてみましたが、データはかなり良くなってます。
ノイズなども少なくなってきました。ただし、この手のデジカメは印刷のことまで考えて
は作られていないことを知った上で使わなければなりません。例えば、印刷のカラース
ペースを完全にカバーするAdobeRGBのように広いカラースペースはなく、データを加工
することを前提にも作られておりません。どちらかというと、誰もが気軽に撮って、簡単
プリント・簡単データ転送webアップといった用途にむいているのです。四版印刷とはかけ
離れたものなので、間違ってもメイン写真には使わないように。
⑬カラーマネジメントについてⅢ(プロファイル)
カラーマネジメントでよく出てくる単語“プロファイル”。 ⑫カラーマネジメントについてⅡ(モニタキャリブレーター)
カラーマネジメントの入口、モニタキャリブレーション。 ⑪カラーマネジメントについてⅠ
デジタル写真が主流となった今、よく聞くことば“カラーマネジメント” ⑩デジタル写真の最難問Ⅱ
“CRTは控えめ、LCDはのせぎみで”という表現になるでしょうか。 ⑨デジタル写真の最難問
デジタルカメラが氾濫する中で、写真家が最も頭を痛めているのが、印刷データにした際の画像の悪さです。 ⑧EOS 5D を見てきました!
8月31日にキャノンのプロシューマ課へ行った帰りに、ショールームに立ち寄りEOS 5Dを見て触ってきたので ⑦EOS 5D 発表!
ついに 待ちに待ったアマチュア用35mmフルサイズCMOSセンサー搭載デジタル一眼レフカメラが、キャノン ⑥Photoshop CS2検証の報告 その1
今年7月中旬に発売されたAdobeのPhotoshopの新バージョンCS2を遅れることなく、当方も導入。 ⑤モニタ用キャリブレーションシステムのニュース
前回、前々回で少し紹介したColorVision社のモニタ用キャリブレーションシステムで http://www.colorvision.com/special_projector.shtml ④Interphoto Shanghai 2005 展示状況
7月14~17日の日程で開催されたInterphoto Shanghai 2005に出展したColorVision社の ③Interphoto Shanghai 2005 7/14-17に尹哲郎の作品が紹介されます。
7月14~17日の日程で開催されるInterphoto Shanghai 2005に出展するColorVision社の ②6月8日都内某社でデジタル講座を開催しました!
都内の某社にて、フリーカメラマンの方々を集めデジタル写真講座を開催いたしました。 ①モニタの色と印刷の色はなぜ違う?
デジタルカメラに手馴れた中級者から寄せられた最も多かった質問です。
これが理解できればカラーマネジメントは、峠を越えたも同じです。
Mac側はicc、Win側はicmと表示されていますが、何のことかといい
ますと、iccは、International Color Consortium(国際色協議会)と
いい1993年設立の団体で、プロファイル策定、カラーマネジメントの
標準化すべく活動しています。もう一方のicmは、マイクロソフト社が
コダック社の技術供与でWindows95から標準搭載しているもので、
Image Color Matchingというカラーマネジメントシステムです。
どちらもモニタ、スキャナ、プリンタに一貫した色再現をするため
のものです。ですから、⑫で触れたモニタキャリブレーションシス
テムではモニタ用のプロファイルを作成しております。そしてプリ
ンタにもプロファイルが必要なのですが、これをつくるための機械が
プリンタープロファイル作成システムです。こちらはかなり高価なも
のなので、カラーマネジメントをかなり熟知した上での購入が望ましいです。あればとても役に立つ機械ですが、
意外な落とし穴があるのでご注意を。それからもうひとつ、iccとicmには若干の違いがありますのでお忘れなく。
具体的に何をするのかというと、専用ソフトウェアでカラーサンプルを
表示し、モニタ上に取り付けたセンサーで読み取り、色調整をすること
であります。デジタル作業の全てはモニタ上で行うわけですから、入口
の調整なしには他の作業は進みません。ほとんどのモニタはブルーの
パーセンテージが高くなっており、そのまま画像を表示して目視で作業
をして紙に出力すると、かなり赤っぽい上がりになってしまいます。
なぜこのような状況になるのか?
それはモニタを販売する際、ブルーとグリーンのパーセンテージが高い
ほど新しく美しく見栄えがするのです。逆にレッドが高いと褪せて使い
古しのように見えてしまいます。疑っている方は、ぜひ一度ご自身の
モニタをキャリブレーターで測定してみてください。
当方もデジタル写真についての解説をする際、必ず口にする言葉ではあるのです。が、実際に「カラーマネ
ジメントは出来ていますか?」の質問に対してはほとんどが “No!”で、カラーマネジメントそのものが、
何なのかわからないという回答でした。ですから、今回はこのカラーマネジメントについて少々お話したい
と思います。そもそもカラーマネジメントとは、、、色の管理、色の操作といったところでしょうか。
現在、撮影デザイン印刷の現場において、写真を扱うソフトの主流は、Adobe社のPhotoShopでほぼ統一され
ていますが使用する機器に関して(デジカメ・スキャナ・モニタ・プリンタについて)は、メーカーも性能も異
なり、色の再現域もかなりの違いがあります。撮影者の用いるカラースペース(色域)とデザイナーが表現しよ
うとする色たち、そして印刷で使える色の限界、すべてが異なるのです。現在この違いを完全になくすことは
不可能なのです(+機器の買換えは不景気が続く業界ではきわめて困難です)が、少しでも問題解決をするための
ものが用意されています。それが、カラーマネジメントシステムです。高い機器(高級デジカメなど)を買う前に
まずはお勧めしたいのは、画像の確認するための 始めの一歩 モニタの表示が正しいかどうかを知るために
モニタキャリブレーションシステムの導入です。次回は、このモニタキャリブレーションシステムについて。
同じデータでも見え方が全く異なるのです。ですから、いままでCRTを使って変換作業をしていた人が、LCDで
急に変換作業をしようとすると、逆の見方をしなければならないので少々戸惑うのです。しかし、作業モニタ
をLCDのみにして(CRTを全く見ないようにして)LCDの特性に慣れてしまえば、決して難しい作業ではありません。
上級機種であれば発色、見る角度による変化はないので、著者としては、近い将来、確実になくなるCRTよりも
LCDを勧めるのです。
ただし、製版作業に堪えるモニタはまだまだ高価であります。これが最大の問題でしょうか。
ハイスペックのデジタルカメラを使っても、この悩みが消えることはありません。モニタ上ではきれいに見え
ているのに“なぜ”という質問が多いので、今回はこの質問に少しお答えしたいと思います。
まず、デジタルカメラで撮影後、確認の作業はモニタを使うのですが、大きくわけて二つ(液晶とブラウン管)
あります。できればブラウン管の使用を勧めたいのですが、これは近い将来、市場から姿を消してしまうので
今旬の液晶に慣れる方をお勧めします。ただし、液晶モニタは、まだまだ未完成の製品なので、画像をいじる
前のモニタセッティングが少々厄介です。何が厄介かというと、ブラウン管に比べてカンデラ値が相当高いので
目視による調整はほとんど不可能といってもいいぐらいです。では、なにで調整をするのかというと、モニタの
表面にくっつけて自動調整してくれるモニタキャリブレーションシステムに頼るのが今のところベストでしょうか。
そしてモニタについては、以前にも書いているとおり、今のところ1機種のみ。(株)ナナオのColor Edgeのみ。
これしか勧められないのが現状です。ただし、これもまだ未完成品なので、このモニタを導入したからといって
誰もが いい印刷データへの変換ができるとは限りません。
・・・・続きはまた今度・・・・
ご報告いたします。ここでは、小難しい話や数値等はすでに発表されているので、使用感のみを報告したいと
思います。データに関しましても、内部は1Ds-MarkⅡとほぼ同じなので今回は触れません。
それではまず、カメラを手にした感触から。20Dと比べて、やや大きく、重量も少しばかり重いと感じました。
しかし、1D-MarkⅡなどのようなずっしり感はないので、長時間 首からぶら下げててもそんなに重くはないで
しょうか。そして最初に見て驚いたのは、背面の液晶パネルの大きさでした。今までのそれに比べて一回り大き
くかなり見やすくなったということです。で、もうひとつの驚きは、液晶パネル横にあるマルチコントローラー
で、画像拡大した時に、すばやく隅々まで見ることができるので、今までのシャッターダイヤルを回す操作に比
べてストレスがありません。シャッターレスポンスやファインダーの視野率は、1Ds-MarkⅡなみといってもいいぐ
らいなので、今のところボディーに関してはケチのつけようがありません。
そして私が今回もっとも期待しているレンズ24~105㎜F4ですが、これまた期待どおりの出来で、フルサイズの
CMOSと組み合わせると“室内も物も人もこれ一本”て感じですね。なにせ標準ズームでは初のスタビライザ付なの
でこれまた驚き。何が驚いたかっていうと、手持ちで気軽にシャッタースピード15分の1を試したのですが、ほと
んどブレておりませんでした。
正直言って、今までのコンシューマ用一眼デジカメとは一線を画す一品ですね。
普段は辛口の私にしては、ちょっと褒め過ぎなんですが、点数をつけると今回は(データは別にして)100点満点中
80点といったところでしょうか。
より発売されることになりました。その名はEOS 5D。スペックはEOS 1Ds MarkⅡに迫る勢いです。特に画素数
は、1280万画素と、旧 EOS 1Ds を超えてしまいました。アマチュアにここまでの画素数が必要かどうかは別
にして、ハイアマチュアの心を鷲づかみにすることまちがいないカメラです。おまけに、このカメラに合わせ
て手ブレ防止機能付標準ズーム24-105mm F4が発売されるというので、筆者までもが心動かされそうです。
とにかく、9月3日の特別発表会には必ずや出席し、使用感やデータの具合をみて、このページでご報告致しま
すので、ご期待ください。
Windows用とMacintosh用を同時に購入し、Windows用からインストールをし、目だった不具合がない
かどうかをおおまかに調べてMacintosh用をインストール。
ところでシステム構成は、
“Windows” インテルPen4(3.0GHz) WindowsXP(SP2) 2GB(PC3200)のRAM
“Macintosh”PowerPC G4(デュアル1.25GHz) MacOS X 10.2.8 2GB(PC2100)のRAM
となっております。今回のバージョンCS2では不十分な動作環境ですが、一応Adobe
の動作保証内なので、まずはこの環境で調査を開始。
今回のバージョンの目玉は、ブラウザであるアドビブリッジが単独のソフトになったということ。
建築写真家にとってはとっても嬉しいレンズ補正がフィルタに追加されたこと。今までシャープに
不満をもつ筆者をやや納得させてくれたスマートシャープ。一枚ずつの現像が不評だったCamera Raw
の機能が強化され複数毎を一度に現像できるようになったこと。
ほかにもまだまだあるのですが、最も実用度のありそうなものを挙げてみました。
そこで不具合その1=PowerPC G4(デュアル1.25GHz) MacOS X 10.2.8の環境ではかなり問題がありました。
私が今回のバージョンアップで最も期待していたレンズ補正が思うように使用できないことが判明。WindowsXP上
では何とかクリアーしてくれましたが、MacOS X 10.2.8上では使えないといってもいいぐらいでした。
実を言うと、CS2をインストールする前にAdobeにMacOS X 10.2.8で問題はないのか質問したのですが、
一回目の回答は、“検証していないのでわからない”という信じられない言葉でした。そしてインストール
の直前にもう一度質問したところ、“32bitOSの10.2.8ではパフォーマンスが若干落ちるが、不具合はあり
ません。”との回答でした。でも不具合はありました。
とにかくCS2は大きくなりすぎて、便利になるはずのツールを快適に動かすにはかなりのシステムが要求さ
れるということです。果たして何人のカメラマンがこのCS2のパフォーマンスをフルに使いこなせるんで
しょうかね~。かなり疑問。
Spyder2PROについての新しい情報が入りましたので、ぜひクリック!
ブースの写真が届きました。
ブースに私こと尹哲郎の作品とプロフィールが、急遽紹介されることとなりました。
もし上海へ行く方がいらっしゃるようでしたら、ぜひ覘いてみてください。
http://www.imaging-expo.com/
ところで、一般のカメラユーザーにとって聞きなれないColorVision社とは、いったい
どんな会社かといいますと、デジタル写真には欠かすことのできないカラーマネジメ
ントに関する商品を扱っています。そこで、前回の続きですが、デジタル写真の目とも
いえるモニタ。このモニタが曲者で、安い高いに関係なく、使っているうちにカラー
バランスなどがくずれてしまい、時おり調整が必要となります。その調整を行うのが
モニタキャリブレーションシステムです。使用方法はソフトウェアを立ち上げて、カラー
サンプルをモニタ上で表示し、モニタ上に配置した機器で読み取り調整するという代物
です。モニタがCRTからLCDに代わった今、完成されたCRTに比べ、まだまだ改善の余地が
あり未知の部分が多いLCDは肉眼での調整は困難なので、LCDで作業をされる方々には
使用をオススメしたいアイテムの一つです。
全員プロですから必要ないように思われがちですが、発展途上の製品やソフトウェアを
扱わなければならず、アナログとデジタルとでは仕事の進め方もかなり違いがあり、仕事
内容も多くなり困難を極めているので多くのカメラマンが四苦八苦しているようです。
そして今回の内容は、デジタルカメラが生成するデータについての、ごく初歩的な知識と
カメラマンにとってはデジタルカメラの次に重要ともいえるモニタについてでした。
モニタはかなり重要なものですが、意外と重要視されていないので、グラフィック用の
モニタをだしている(株)ナナオのグラフィックス課の方にもご参加いただき、最新
モニタの説明とデモをやっていただきました。
ここで、前回言った道具のひとつとして、“正確に色表示のできるモニタ”というのが
まずあげられます。では、共通度の最も高いsRGBを完全にサポートしているモニタは
いったい何機種あるのか?
CRTモニタが市場から姿を消し、液晶が全盛の今、液晶のみで考えると1機種に限られる
のではないでしょうか。
この違いが理解できれば、デジタル写真の問題の大半が解決されたと考え
てもいいのではないでしょうか。この質問には、結論からいえば、“モニタ
の色と印刷物が、全く同じになることはありえません”なぜなら混色方法が
全く逆だからです。
モニタ⇒RGBの3色光を最大にして合わせれば白になる加色混合
印刷⇒CMYKの4色インクをすべて100%にして合わせれば黒になり、4色全てが
0%であれば白になる減色混合
片方は光を混ぜて、もう片方はインクを混ぜて色を作るのですから、もともと
無理があります。
そしてもうひとつ、カラースペース(表現できる色の領域とでも言えば適切でしょう
か)の違い。この違いにより、RGBでは簡単に表現できる色も、CMYKの4色印刷では
どんなことをしても出ない色があります。
ただ、印刷の仕事をしている人たちは、“合わない!”では仕事にならないので
シュミレーションできるモニタと道具、プラス ノウハウを使っています。
次回は、そんな道具の一部をご紹介します。