美味しいページ2016


有名店監修カップ麺の実力

  ラーメン王国日本で熱い戦いを繰り広げているのは何も店舗だけではない。
 インスタントラーメンも各社が毎年新商品をいくつも投入してくる。インスタ
 ントラーメンを食べ続けて45年以上の筆者も全ての商品は制覇できない。
 「所詮インスタントでしょ、どれも大したことないんじゃない、どれも同じでは?」
 という意見もよく耳にする。
 もちろん限界はあるとは思いますが、与えられたスペース(カップ&袋)で知恵を絞り
 研究を重ね新商品を世に出すメーカーの“やる気”を評価したいですね。
 そして近年、気になった商品ですが、インスタントでここまで出来たのかと、
 思わず唸ってしまったのが2014年に発売された「ラ王」のカップ麺シリーズだ。
 さすがカップ麺の王者日清!
 技術力の高さとインスタントラーメンにかける意気込みを感じました。
 
 生麺ではないかと思うぐらいのインスタント麺には舌を巻きます。
 袋入りはもちろん、カップ麺も本当にカップ麺なの?と思うぐらいの麺のこし。
 お湯を注いで5分待ちで少々長めではありますが、寒い夜お腹がすいてどうしても
 熱いラーメン食べたい時、外へ出なくても美味いカップラーメンが即その場で食
 べられるのがいいですね。
 正にカップ麺を超えたカップ麺。
 日清は今回のラ王はラーメンの王様であることを証明しようとしているのか渋谷駅
 山手線ホームにアンテナショップの日清ラ王袋麺屋を2012年にオープンしてお店も
 人気のようで販促にも一役かっているようです。こういう宣伝はラーメン好きを
 自認する筆者も大歓迎~(^0~)~
 近年で最も高得点を差し上げたいカップ麺です。
 そしてそれとは逆に、有名なお店の味の一面を手軽にカップで味わおうという動きも
 気になりました。それが有名店監修のカップ麺ですが、毎月のようにいろんな有名店
 の名前がコンビニの棚にお目見えするので、麺好きにはたまりません。
 最初にお断りしておきたいのですが、究極の麺を提供しようと素材選び・アイデア・
 研究に日夜努力している店舗の味をそのままお湯を注ぐだけで食べられる
 インスタントカップに閉じ込めるなんてことは到底不可能なことです。お店の味や
 スタイルが少し覗ける程度と思って食すのがいいのではないかと。
 
 そして昨年食べたそれら有名店監修カップ麺の中で斬新かつパンチの利いた味で
 蕎麦の新しいイメージを植え付けてくれた「そば俺のだし 俺のラー油肉そば」
 を選び銀座にある店舗を訪ねてどれぐらい味を実現できているか食べ比べを試みた。
 「そば 俺のだし GINZA5」はその名の通りイタリアンやフレンチなど様々な料理で
 も有名な「俺のシリーズ」の立ち食い蕎麦のお店。店内はおっしゃれすぎる内装で
 立ち食い蕎麦屋のイメージとはかけ離れていて、まるでイタリアンレストランと
 間違えそうです。
 
 他の俺のシリーズ同様に料理人は一流でメニューには高級素材を使っていることも
 あって高めの値段設定。だからといって立ち食い蕎麦屋のスタイルは保っていたいのか
 セルフ注文で気軽に食べられる。なのでお昼はふらりと入店してさっさと食べて出ていく
 男性会社員の姿がほとんどでした。スピードがウリの街の立ち食い蕎麦屋のスタイル
 でありながら内装とメニューの種類・味が一味も二味も違います。
 その中で監修した肉そばに最も近い「鶏そば」600円を注文。熱い付け汁でいただく
 蕎麦ですが、カップ麺同様、鶏だしでラー油とネギが効いた濃く甘辛い付け汁で、
 ざる蕎麦は海苔とゴマが「これでもかっ!」ていうぐらいトッピングされている。
 付け汁の中にはゴルフボールくらいの鶏肉の塊も入っていてこれがなかなか美味い。
 麺を持ち上げればゴマもたっぷり絡んで付け汁に入れても口の中まで付いてきてくれる。
 「あっさりと蕎麦でも食おうか」なんて思っている方にはお勧めではありません。
 あくまで濃い目の味をお好みの方にオススメの逸品でしょうか。
 カップ麺も後入れのラー油が効いた濃いスープに包まれた新感覚の蕎麦です。
 お湯で注いだだけで出来上がる乾麺ですから同じ味には程遠いでしょうが、
 ちょっと似た雰囲気が味わえることは確かです。
 そしてこれもカップ麺としてはなかなかのものですよ~~~
 
 
 そば 俺のだし GINZA5
 中央区銀座5丁目1番先 銀座ファイブB1F


諸星ナイト@Oito

 

  近年、筆者の仕事内容で大きく変わったことが一つある。それは店舗に出向いてそのお店の料理を撮影する
 案件が極端に減ったことだ。以前は情報誌・メニュー・ポップ・看板用撮影など仕事の約30パーセントぐらいが
 飲食店関係という時期もあった。しかし、その仕事は現在ほとんど消滅した。理由はそういうことを書くページで
 はないから簡潔にいうと、長い長い不況とフルデジタル化が主な原因でしょうか。
 不況で財布のひもも固く外食等の支出は抑える傾向が顕著な今、外食産業参入は大型チェーン店
 でも難しい時代。そんな状況でも個人参入するチャレンジャーは多数いるようです。資金もいるし体力も
 精神力もすり減る激務であるにも関わらず。
 つい最近まで飲食店情報ウェブサイト用の取材撮影を年間100件近くこなしてきた筆者自身も飲食業に惹かれ、
 いつかは自分の店を持ちたいという欲求に駆られている一人でもあります。それほど飲食業というのは魅力ある
 商売なんでしょうが、個人参入するにはハードルが高い。ここ20年間ぐらいでいえば、長期で営業している
 個人店はごくわずかで、開業から10年後も営業しているお店は10%前後ともいわれている。
 そんな厳しい現代のお店はどんなアイデアを打ち出し経営を続けているのか興味あるところ。
 何度でも来店したくなるようなお店作りと他にはないような目玉料理、各種イベントを続けることが
 集客のカギを握っているんでしょうか。
 今回はそんな興味をそそる一風変わった(失礼)お店と料理研究家のコラボイベントの紹介です。
 まずは箱を提供しているお店についてだが高円寺の駅近店「カリール&リカー オイト」、どうもポルトガル語
 のようだが、ドアの外からではいったい何のお店か想像がつかない。しかし店内に入ると納得。
 店内の雰囲気は日本国内というより旧ポルトガル領マカオにでもあるような半リゾートの落ち着いたバーと
 いう表現が合っているんだろうか。
 
 
 (写真左が今回のイベントに賛同してくださったこの店のオーナー:今喜夛周之氏、右が今回の主役:諸星和明氏)
 
 普段のメニューは店名どおりカレーとお酒、それをオシャレなバーでいただく。
 そして店内の壁にはにはカレーに使う香辛料がずらり、カウンター上には果実酒。
 
   
 
 
 国内ではありそうでなさそうな雰囲気とメニューを持つお店です。
 お店そのものの紹介はここまでで、カレー大好きな筆者なので
 お店についての詳細な紹介は次回ということでm(_)m
 
 ではイベントのご紹介の前に近年よく耳にする「料理研究家」についてですが、その名の如く
 この地球上にある素材を使って様々な手法で、味だけでなく健康にも配慮した料理を追及
 するのが任務というか業務で、撮影や講習、イベントなどなどでお目にかかることが多い方々です。
 もちろん作ることも食べることも大好きで、自身が作った料理を美味しく食べる姿を眺めることも
 大好きなようです。
 今回の主役である諸星和明氏は本業は編集者、仕事上でも食の取材や撮影に絡むことが多く、
 全てのことに対して凝性の氏は他にも極めようとしている事がいくつかあるようです。
 料理に関しては大人数相手にいくつもの手の込んだメニューでもてなすイベントを各所で開催
 しているようですが、今回初めて高円寺の人気カレー専門店「カリール&リカー オイト」での
 開催が5月末の日曜日に初めて実現しました。この初回の盛況ぶりもあって第2回が6月末にもあったばかり。
 もちろん好評のようであったが、参加した側としては次回開催にも期待がふくらむところだ。
 そこで今回は、氏がどのような料理でもてなしたか、ちょいと覗いてみた。
 前述にもある通り、その辺にありそうでないメニューが次々と目の前に現れたんだが、
 まずはトップ画像が「チリビーンズ」で、牛豚合挽肉・豆類・玉葱・ニンニク・生姜で煮込んでいるようだ。
 しかしどういう手順で作っているのか料理写真を撮り続けて25年以上の私にもさっぱりわかりません。
 
 
 
   次に前菜(だと思うんですけど)、「霧島鶏のささみ酒蒸しと三つ葉のお浸し」一見簡単なようですが同じ
 ようなテイストに仕上げるのはちょっとしたさじ加減がひつようかも。
 
 
 
 「あさりの酒蒸し」は中華・台湾風とでもいえばいいだろうか、アサリ・ニンニク・紹興酒・唐辛子を
 使っていて、主役のアサリよりこの煮汁がとても旨い!
 
 
 
 今回の会場であるオイトを意識してか?カレーが出現!ただし、パッと見 無国籍でカレー好きの筆者も
 興味津々でじっくり観察しながら食した。カレーだからスパイシーであることはもちろん、メニューの中で
 栄養価・ヘルシー度の高い料理ではなかったでしょうか?
 「夏野菜のカレー」は、豚合挽肉・トマト・ピーマン・ナス・ズッキーニで煮込んでいるようだ。
 
 
 
 サラダも一ひねりしているようでヘルシーな「押し麦とひじきのサラダ」
 スナックかシリアルでも食べてるような感覚でした。
 
 
 
 メインの肉料理は、スペアリブを漬け込んで焼いたという「三沢豚のスペアリブ マーマレード焼き」
 以上が第1回目で撮影したものだが、もちろんデザートもあった。
 
 これらの料理が次々とテーブルに運ばれてくるのだが、いろんなチェーンレストランや個人店へ出向いて
 星の数ほどコース料理の撮影をこなしてきてはいるけれど、この内容は時間的にもコスト的にも実現不可能である。
 こういう手の込んだ料理を出すためには、どうしても腕の立つ料理人ではなく料理研究家が必要となる。
 このイベント自体は今のところSNSで参加を集っているので一般の方はお友達申請をしなければ参加できないが、
 お店の活性化という観点からも有効な手段ではないかと思った。
 気の合う仲間と決まった場所で毎回違う驚きの料理を囲むというのは、新しい外食のスタイルとして
 活用できるのではと今後に期待がふくらみます。
 
 ところで、今回登場いただいたお店「Caril & Licor Oito(カリール&リカー オイト)」
 の場所はこちら↓
 高円寺北3-2-15八字ビル202
 http://oitojp.favy.jp/
 


Caril & Licor Oito(カリール&リカー オイト)

 

  前回紹介した諸星ナイト@Oitoの会場となったお店が今回は主役。
 場所は前回記した通り高円寺、駅から徒歩2分という都内有数の歓楽街のど真中にあるお店だ。
 駅から歩いてOitoに向かう途中にも多種多様な飲食店が立ち並び、夜の18時を過ぎたころには
 どのお店も賑わっているようで目移りしてしまいそうな魅力的な場所である。
 お店の内観や雰囲気は前回触れているのでスルーとするが、今回このお店そのものを
 気になったのは、評判のカレー以上にカウンターを陣取り美味そうに漬かっている果実酒!!
 これを飲まずにはいられなかったのである。
 
 
 
 
 カレーに果実酒?
 果たして合うものか?
 オーナーである今喜夛氏曰く、「果実酒がカレーの辛さを緩和してくれる」のだとか。
 というわけで、まずはおすすめの「ハーフ&ハーフ(トップ画像、980円)」と「レモン泡盛(650円)」を注文。
 カレーは左側がほうれん草、右側が落花生、ライス上には自家製ピクルス、辛さは3段階でご用意。
 ヘルシー感が前面に出て、オシャレでしっかりした味の印象だが、このスタイルはどうして確立
 されたのか今喜夛氏にたずねたところ、2015年10月開業以前は移動販売を手がけており、そこでの
 ノウハウがそのまま生きているのだとか。辛さは3段階だそうで、今はやりの激辛からはほど遠く
 十分旨味を堪能できる辛さにおさえているように筆者は感じた。しかし辛さの基準は個々まちまちなので
 辛いというお客様もいるのだとか。
 そんなほどよい辛さのカレーを食べながら「レモン泡盛」をロックでちびちびと飲むと、確かにカレーの
 辛さを抑えてくれるというか流してくれる感じがある。レモン泡盛は、本物の泡盛だけあって、
 舌に刺さるような感覚があり、酒飲みの筆者でもやや効くぅ~~~~~
 カレー一杯に果実酒一杯飲めば十分楽しめるんだけれど、せっかくなんでもう一杯挑戦。
 
 
 
 二杯目は「柿の黒糖焼酎ソーダ割」だが、柿のほのかな風味と自然の甘さがこれまた辛さを忘れさせて
 くれるから不思議~~~
 店名どおりのカレーとお酒を楽しめるお店であることが確認できてやや?満足の筆者。
 最後に前回載せていないデータですが、現在不定休のためFacebookで営業日確認が必要とのこと。
 営業時間は19時くらいから24時まで。
 
 
 
 そして、やや?満足の意味だが、ディナータイムにカレーだけでは寂しいので、何かもう一軒立ち寄り
 たくなる雰囲気にさせる場所なのだ、高円寺の歓楽街は!
 というわけで、この街を熟知する今喜夛氏に数店推薦していただき番外へ。
 
 <<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<【番外】らーめん専門店 太陽>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
 
 歓楽街のお楽しみは何といっても安いお店を数軒はしごすることである。
 居酒屋もいいが、飲んだ後の一杯といえばラーメンが相場。
 推薦していただいたのは「らーめん専門店 太陽」、看板にもある通りかなりの老舗のようで
 老夫婦とアルバイト一人でその夜は営業していた。
 
 
 
 おすすめは「らーめん」480円だそうですが、駅近店にしては安い。そして麺の量は?
 店内の張り紙にもあるとおり通常の1.5倍で、食べごたえはある。
 そして肝心のお味だが、和風味にこだわり境港の新鮮煮干しをメインに国産を使用しているそうだ。
 画像は味付け玉子らーめん」580円也
 
 
 
 煮干しの自然な出汁がさっぱりした口当たりで、スープまでたいらげてしまった。
 こってりドロドロ系が幅を利かす現在のラーメントレンドの中で、昔ながらの味を守り続けている
 お店を見ると(´▽`) ホッとするのだ。
 
 ここで美味しいものが食べられて、高円寺という街にさらなる興味がわきました。
 


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